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工作 今回は、2色迷彩の車体を作る事が初めから決まっているので、ある程度簡単だと思っていた。でも、手持ちの数少ないKVの資料を見ている内に重大な事に気が付いた。 これ、そもそも車体が違う! いつもの罠かあ…。 そこそこダメージを受けつつも、諦めるか作るかで悩む。 どうせ、35でも同じ事をやるつもりだったんだからと、気を取り直してさっさと作る事に。 |
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まず、このクリル文字でGと書かれた車体の特徴を拾い出す事にする。 手持ちの資料は、スコードロンの「イースタンフロント」の車体右後方からの1枚のみ。明度差ではっきり2色と分かる、モノクロとは言え特徴を良く捉えた貴重な一葉。これから、車体側面には増加装甲が有る事。砲塔前部には、特徴的な増加装甲が有る。右フェンダー上部には、装備品箱が1個。砲塔が、41年タイプの前後に装甲厚を増した、側面下部が後部まで一直線に伸びたタイプである。ライトが付いている。運転席前部に装甲板がある事が分かった。 そして、忘れてならないのは砲塔側面下部。ここが、この車輌の重要なポイントで、後の42年型と同様、後部にかけて直線のラインとなっている。 |
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次に、もう少し資料的に詰めたかったので、手持ちのグランドパワーを見る。 都合良く、同様の特徴を持った、前側から(3両)のと、破壊された右前後側から撮影された写真を発見。 これらによると、操縦手用ハッチ前部にも跳弾(?)装甲が有る事。ターレットリング周囲にも装甲があり、前部は後に見られるVの字型である事が、うっすらと確認出来る。特徴的なのは車体上面後部で、後に見られる1本タイプでは無く、砲塔側車体上面の溶接部分と、ボルト止めしている後部エンジンデッキ上部で切れた2本となっている事だ。写真からもはっきり確認出来るが、角度等は推測でつけている。 エンジンデッキハッチに関しては、写真のその部分が暗く、エアクリーナーの瘤が有るか、無いか判然としなかったが、他同型車輌では有る事が確認出来たので、そのままとした。但し、瘤上部の◎のモールドは削り落とす事。一般的ではないようだ |
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他砲塔では、左右ペリスコープの砲塔側面側が視界確保の為に斜めに切り落とされ、跳弾用?(下にあるピストルポートに水が入らない処置か?)に棒(角棒)状の物が溶接されているのが見られる。これは、車体前部にも認められる。 キットには、Gのデカールは砲塔左右分しかないが、実車は砲塔後部にも確認出来る。 付け加えるが、砲塔側面の装甲厚に関しては、資料的な裏付けが無い。実車写真のペリスコープの切り欠き部を見る限り、もう少し側面厚が有りそうな気もしている。 以上の特徴を踏まえた上で、工作を始める。 工作自体は、各種プラ材を利用して、トラペの35キットを適当に参考にしつつ進めれば、難易度はそう高くは無い。 |
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砲塔側面下部の直線化には、プラ板、ポリパテを用いて成形した。厳密には、図面を探して作り直した方が良いのだろうが、今回はこれで良しとした。 他、砲塔後部下側には、補強用?リブがあるので、適宜プラ板を加工して取り付ける。実車写真では、リブの窪みに、陰影のせいでリベットが有る様にも見えるが、判然としないのでそのままとした。 吸排気部分のネットは、編み目が適当な物が入手出来ず、少々粗めの50番手を使用した。尚、車体上面の吸気部の枠は、キットのパーツを切り抜いて使用している。ゆっくり時間を掛ければ、誰でも出来る。 |
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ロードホイールに関しては、一番外側に位置する穴が、金型の関係でDの様になっているので丸く開け直す。残念な事は、トラペの35同様上部転輪の間隔が同じ事だ。スケール上、無理する必要も感じなかったので、そのままとした。 キットの履帯に関して。 私は、当初説明書の枚数で組んでいったが、最終的に1リンク追加している。特に左側の時、どういう訳か短目に感じたので、2リンク追加したが大失敗。接着してから1リンク剥がし、成形し直して強制再接着する羽目に。経験的に、全体的に緩めに組むと言う事を知っておきながらの失敗だった。 他、車体各部、装甲板部分には、モールドを加えたり、溶接跡再現を施している。 |